2015年 2月28日  ヨシススキ


先日、外来植物のヨシススキの分布を調べ始めておられる宮崎大学の西脇亜也教授から依頼がありました。

「ヨシススキは、宮崎県や大分県、神奈川県などの道路法面の緑化に使われているようなのですが、今ひとつ実態がつかめません。
このヨシススキが、阿蘇や秋吉台のススキ草原に入って侵略的な外来種になったら困るなと思っています。
杞憂であれば良いのですが。
 もし可能であれば、7月と10月に撮影された大まかな場所を教えていただければ幸いです」。 

* * * * * * *

「メールで教えていただいた道順に従って、グーグルのストリートビューでたどっていったところ、
明らかにヨシススキが小郡萩道路の法面に繁茂していたことが確認できました。
ストリートビューでの撮影は2014年6月のようですが、前年の花茎が残っているのがわかりました」。

 
【@ヨシススキで間違いなかったのです − 県道下側の法面】
15.2.28 撮影

            ヨシススキ Saccharum arundinaceum〈葦薄〉(イネ科 サトウキビ属) 
                                            花期は 7月、10月。
        インド〜東南アジア原産の大型の多年草。
        飼料として栽培されていたものが、逸出野生化したとされる。
        茎は直径2cmほど、多数叢生、太い根茎から出て出穂時の高さは2-5mになる。
        葉は線形、長さ1-2m、幅4-6cm、先は鋭尖形、縁は全縁、中肋は乳灰色、
        葉鞘の口部には白色の長毛がある。
        葉舌は膜質で長さ3mmほど、縁には1cmほどの毛がある。
        円錐花序は卵円形、乳白色を帯び長さ30-70cm、
        枝は輪生状につき、長さ15-20cm、乳白色または帯紫色の軟毛がある。
        穂状花序は長さ3-6cm、
        小穂は被針形で淡緑色〜黄褐色、長さ3mmほど。
        サトウキビの最も重要な近縁野生種として注目される。


【A 「飼料として栽培されていたものが、逸出野生化」 ではなかったのです】
15.2.28 撮影
                                 
【B昨年7月に気づいたのは道路下の法面から、県道わきに進出したものだったのです】
15.2.28 撮影

【Bを拡大しました − 中軸は花序の先まで長く伸びる
15.2.28 撮影

【C − Bを見上げて撮りました】
15.2.28 撮影

【D昨年10月30日に詳細を撮った株です】

15.2.28 撮影

【Eこの様子、確かに人工的に植えられたものですね】
15.2.28 撮影

【F今はススキも生えていますが】
15.2.28 撮影

【Fを拡大しました − ヨシススキと共存できるのでしょうか】
15.2.28 撮影

* * * * * * *

「私も宮崎市の道路法面などで昨年に見つけました。
 その後に神奈川県藤沢市などでも見つけ、大分県くじゅう、長崎県佐世保市、島根県松江市などの
 道路法面でもヨシススキが緑化に使われていることがわかってきました。
 今回教えていただいた小郡萩道路は秋吉台からも近く、侵入した場合、ススキなどと競合するのでは 
 ないかと心配しています。杞憂であれば良いのですが。」
と、西脇教授。


※ 2013年10月から、DNA分類体系準拠の新科名を書いています

※ 日記の花期は、私が秋吉台で調べてきたものを使用しています。

次ページ

TOP