2016年 2月24日  ウスゲスミレ


1971年、スミレの大家、浜 栄助先生が発見され、アキヨシタチツボスミレと命名されましたが、後になり、
すでに北九州市で知られていたウスゲスミレであると分かり、アキヨシタチツボスミレはウスゲスミレとなり、
ついに幻のスミレとして幕を閉じたのです。
(自然にしたしむ28 「秋吉台のスミレ」−秋吉台科学博物館)


【@林縁でナガバタチツボスミレを撮った中に、ウスゲスミレがありました】
16.2.22 撮影

       ウスゲスミレ〈薄毛菫〉(スミレ科 スミレ属) 花期は3〜4月。
     ナガバタチツボスミレとニオイタチツボスミレの自然雑種。
     茎はニオイタチツボスミレのように毛がある。
     根生葉は心臓形〜卵状心臓形で、ニオイタチツボスミレに似ている。
     茎葉は中間型で、上部に移るにつれて卵状心臓形、卵状三角形、長三角形、
     三角状披針形となり、ナガバタチツボスミレに似てくる。
     葉の表面は短毛があり、裏面は無毛か脈上に少毛がある程度。
     花冠は1.5-2cm淡紫紅色〜紅紫色、
     ニオイタチツボスミレに似て花弁内の白色部の区切りがはっきりしている。
     唇弁の距は、長さ6-9mmでナガバタチツボスミレに似て太くて長いものが多く、淡紅紫色。
     果実は不稔か、2〜3個結実する不完全果。
     繁殖は専ら地下茎から新株を出して増えることが多い。
                  
( 「秋吉台 草原の自然史」−秋吉台科学博物館 1983年 第2版 )


【Aここでは群落を作らず、ナガバタチツボスミレの群落の中に】
16.2.22 撮影
                                 
【Aを拡大しました − 茎はニオイタチツボスミレのように毛がある
16.2.22 撮影

【Aを拡大しました − 葉の表面は短毛があり
16.2.22 撮影

【B翌日、他にないか見に来て、もう1株見つけることができました】
16.2.23 撮影

【C花茎に毛があり】
16.2.23 撮影
「唇弁の距は、長さ6-9mmでナガバタチツボスミレに似て太くて長いものが多く、淡紅紫色」


【D葉の表面に短毛】
16.2.23 撮影

【E葉の裏面は】
16.2.23 撮影

【Eを拡大しました − 裏面は無毛か脈上に少毛がある程度
16.2.23 撮影

 この林縁の斜面には、ニオイタチツボスミレもポツポツと咲いています。
 ほかのナガバタチツボスミレの生育地にも、ウスゲスミレが混生しているかも知れません。


※ 2013年10月から、DNA分類体系準拠の新科名を書いています

※ 日記の花期は、私が秋吉台で調べてきたものを使用しています。

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