2017年 1月12日  アキヨシミミナグサ



【@アキヨシミミナグサは多年草。ほとんどの個体がこの姿で越冬します】
17.1.12 撮影

         アキヨシミミナグサ Cerastium akiyoshiense Kadota〈秋吉耳菜草〉
                         (ナデシコ科 ミミナグサ属) 花期は 1〜10月。
        山口県美祢市美東町秋吉台の東麓に点在する銅山跡地に生える多年草。
        茎や花梗、萼片に腺毛があり粘る。
        花弁は狭倒卵形、長さ4.5-5.5mm、1/5〜1/4まで切れ込み、先端は鋭頭。
        葯は直径0.4mm。
        花弁と雄しべは無毛。

        本種はかって伊吹山固有のコバノミミナグサと同一の植物と考えられた。
        しかし、アキヨシミミナグサはコバノミミナグサに比べて、
        @花弁が倒卵形でより短く、
        A花弁の切れ込みがより浅く、萼片の先が鋭形で、
        B萼片がより短く、背軸側に長毛に加えて腺毛があり、
        C花梗にも腺毛があり、
        D刮ハがより短く、
        E葯がより小型である点で異なる。
        一方アキヨシミミナグサはホソバミミナグサとは、
        @花弁がより短く、
        A花柱がより短く、
        B苞が葉状になって、縁に膜状部を欠くことで区別される。
        アキヨシミミナグサの染色体数 2n=70 は
        ミミナグサ属の中でもこれまでに報告が極めて少ない。


【@を拡大しました】
17.1.12 撮影
                                 
【A毎年開花が早い多湿の場所では、昨年同様今年も開花していました】

17.1.12 撮影

【Aを拡大しました】
17.1.12 撮影

【B同じ場所で別の個体を】
17.1.12 撮影

【C − Bの茎の下方を】
17.1.12 撮影

【Bを拡大しました】
17.1.12 撮影

【D上の花序に近寄って】
17.1.12 撮影

2年続いて1月に開花していたので、
アキヨシミミナグサの花期を「1〜10月」に修正しました。
個体差が大きいので、花期が長いのです。

アキヨシミミナグサの“一番きれいな時”は、こちらをどうぞ

アキヨシミミナグサの日記、次回は、
今年3月発行(2月の予定が変更)の改訂新版 「日本の野生植物 4」の解説文で書くことになります。
門田先生の図鑑にまとめられた解説を読むのが、本当に待ち遠しいです。


※ 2013年10月から、DNA分類体系準拠の新科名を書いています

※ 日記の花期は、私が秋吉台で調べてきたものを使用しています。

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