2016年 12月13日  『改訂新版 日本の野生植物 4』に、アキヨシミミナグサが



昨日、門田 裕一先生(国立科学博物館・名誉研究員)からメールがありました。、

「今日はアキヨシミミナグサの写真借用のお願いです.
現在準備中の『平凡社版 日本の野生植物 第4巻』(2017年2月刊行予定)
でアキヨシミミナグサの写真を掲載したいと考えています.
中沢さんがこれまでお撮りになった写真のうちで,
1.群落─びっしりと群落を作っている状態 2.個体全体─花と果実があるもの 3.花のアップ
良いものがありますでしょうか」


【@ − 花のアップ】
13.4.1 撮影

             アキヨシミミナグサ Cerastium akiyoshiense Kadota〈秋吉耳菜草〉
                         (ナデシコ科 ミミナグサ属) 花期は 3〜10月。
        山口県美祢市美東町秋吉台の東麓に点在する銅山跡地に生える多年草。
        茎や花梗、萼片に腺毛があり粘る。
        花弁は狭倒卵形、長さ4.5-5.5mm、1/5〜1/4まで切れ込み、先端は鋭頭。
        葯は直径0.4mm。
        花弁と雄しべは無毛。

        本種はかって伊吹山固有のコバノミミナグサと同一の植物と考えられた。
        しかし、アキヨシミミナグサはコバノミミナグサに比べて、
        @花弁が倒卵形でより短く、
        A花弁の切れ込みがより浅く、萼片の先が鋭形で、
        B萼片がより短く、背軸側に長毛に加えて腺毛があり、
        C花梗にも腺毛があり、
        D刮ハがより短く、
        E葯がより小型である点で異なる。
        一方アキヨシミミナグサはホソバミミナグサとは、
        @花弁がより短く、
        A花柱がより短く、
        B苞が葉状になって、縁に膜状部を欠くことで区別される。
        アキヨシミミナグサの染色体数 2n=70 は
        ミミナグサ属の中でもこれまでに報告が極めて少ない。


【A −群落─びっしりと群落を作っている状態 】
14.6.7 撮影
                                 
【B − 個体全体─花と果実があるもの】
14.6.7 撮影

【C − 個体全体─花と果実があるもの】
13.6.5 撮影

9点の原画を「宅ふぁいる便」で送付した中から、先生が上の4点を選んで編集部に送られました。

図鑑「改訂新版日本の野生植物」(平凡社)は、現在3巻まで発行されていますが、
掲載写真が多くて助かっています。
第4巻は、来年2月に発行予定で楽しみに待っていましたが、それにアキヨシミミナグサが載るのです。
写真展の画像作りに追われている毎日ですが、こんな嬉しいことがありました。


※ 2013年10月から、DNA分類体系準拠の新科名を書いています

※ 日記の花期は、私が秋吉台で調べてきたものを使用しています。

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