アキヨシミミナグサ Cerastium akiyoshiense Kadota〈秋吉耳菜草〉 (ナデシコ科 ミミナグサ属) 花期は 3〜10月。 山口県美祢市美東町秋吉台の東麓に点在する銅山跡地に生える多年草。
茎や花梗、萼片に腺毛があり粘る。 花弁は狭倒卵形、長さ4.5-5.5mm、1/5〜1/4まで切れ込み、先端は鋭頭。 葯は直径0.4mm。 花弁と雄しべは無毛。
本種はかって伊吹山固有のコバノミミナグサと同一の植物と考えられた。 しかし、アキヨシミミナグサはコバノミミナグサに比べて、 @花弁が倒卵形でより短く、 A花弁の切れ込みがより浅く、萼片の先が鋭形で、 B萼片がより短く、背軸側に長毛に加えて腺毛があり、 C花梗にも腺毛があり、 D刮ハがより短く、 E葯がより小型である点で異なる。 一方アキヨシミミナグサはホソバミミナグサとは、 @花弁がより短く、 A花柱がより短く、 B苞が葉状になって、縁に膜状部を欠くことで区別される。 アキヨシミミナグサの染色体数 2n=70 は ミミナグサ属の中でもこれまでに報告が極めて少ない。
以下は、5月27日のアキヨシミミナグサ観察会での門田先生のお話の録音を聞いて書きました。
【A伊吹山のコバノミミナグサとの決定的な違いは、秋吉のには腺毛があることです】
14.6.7 撮影
「茎や花梗、萼片に腺毛があり粘る」
「コバノミミナグサに毛はありますが、腺毛が全く出てこない」
【Aを拡大しました】
14.6.7 撮影
「ちぎらない程度に触ってみてください。粘っているでしょう?
腺毛の先に丸い部分がありますが、そこから粘着質を分泌して粘るのです。
丸い部分を『腺毛頂』と言いますが、そこで粘着質が作られるのではなく、
ほかで作られたものが運ばれてきて分泌しているのです。
粘着質の効果は外敵から守るということですが、ほら、黒い小さなものが付いていますが、虫ですね」。
※ 2013年10月から、DNA分類体系準拠の新科名を書いています。
※ 日記の花期は、私が秋吉台で調べてきたものを使用しています。
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