タカサゴユリ Litium formosanum 〈高砂百合〉(ユリ科 ユリ属) 花期は8〜9月。
路傍、道路ののり面、石垣の隙間などに生える多年草。
鱗茎は球形〜広卵形で、径5cmにまでなる。
茎は高さ30-150(-200)cm、葉が多数互生する。
葉は無柄でやや茎を抱き、線形、先は漸鋭となり、
全縁、無毛、長さ10-25(-30)cm、幅4-12mm。
花は7〜11月、茎の先の葉腋に1〜数個、ときに10個以上つき、
横からやや下向きに咲く。
花被片は6枚、白色で、外面の特に中肋に沿って赤紫色を帯び、
倒卵状披針形で鋭頭、長さ15-20cm、
基部から長い筒を形成し、先が大きく開いてから反り返る。
花糸は長さ約9mm、基部に乳頭状突起があり、葯は長さ8-10mm。
子房は柱状で長さ2.5-3.5cm、無毛、 花柱は線形で長さ7-9mm、柱頭は膨れてやや3裂する。
果実は長さ5-7cm、幅2-4cm。種子は多数。
原産地:台湾。
渡来:観賞用に、1923年あるいは37年に導入されたという。栽培逸出。
自家受粉をすること、短期間で成長して開花できること、
貧栄養の土壌でも生育することなどの性質があり、最近急速に広がっている。
葉がより広く(幅8-18mm)、花全体が白色で、琉球に自生するテッポウユリ
にごく近縁で、両者の間にシンテッポウユリと呼ばれる雑種ができている。
シンテッポウユリも稔性があって繁殖力旺盛で、
最近はこちらも逸出して急速に広がっているようである。
シンテッポウユリはタカサゴユリによく似ているが、花はふつう白色である。
− 「日本の帰化植物」 −
【@を拡大しました − 葉が多数互生、無柄でやや茎を抱き、線形】
19.12.7 撮影
「先は漸鋭となり、全縁、無毛」
【A花被片は6枚、白色で、外面の特に中肋に沿って赤紫色を帯び】
19.12.7 撮影、
「基部から長い筒を形成し、先が大きく開いてから反り返る」
【B花は茎の先の葉腋に1〜数個、ときに10個以上つき、横からやや下向きに咲く】
19.12.7 撮影
【Bを拡大しました −花被片は6枚、白色で、外面の特に中肋に沿って赤紫色を帯び 】
19.12.7 撮影
【C今年は、あちこちでたくさん咲いていました − 長登側道ののり面で】
19.8.25 撮影
【D Bはわずかに赤紫色がかっていますが、こちらは真っ白です】
19.8.23 撮影
「テッポウユリにごく近縁で、両者の間にシンテッポウユリと呼ばれる雑種ができている。
シンテッポウユリも稔性があって繁殖力旺盛で、最近はこちらも逸出して急速に広がっているようである」。
過去の、タカサゴユリとして保存しているいる画像はわずかですが、
2013年からのは、すべて花被片の外面は白色で、赤紫を帯びているものはありませんので、
秋吉台で見てきたのは、タカサゴユリとテッポウユリとの交雑種と思われます。
※ 2013年10月から、DNA分類体系準拠の新科名を書いています。
※ 日記の花期は、私が秋吉台で調べてきたものを使用しています。
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