ムラサキセンブリ Swertia pseudochinensis〈紫千振〉(リンドウ科 センブリ属)
花期は10〜12月。 センブリに似て花の色が紫なのでこの名がある。 センブリと同様に苦味があるが、日本では薬用として利用しない。
日当たりのよい草地に生える高さ20-50cmの多年草。 センブリに似るが、茎は太く、暗紫色を帯びる。 葉はやや密に対生し、線状披針形で長さ2-4cm。 茎の先や葉腋に淡紫色の花を円錐状につけ、上の方から咲き始める。
花冠は長さ1-1.5cmで5深裂し、花冠裂片に濃紫色の脈があり、
蜜腺溝の毛に波状隆起がある。
【A小さな株ですが、ここならこれからの観察が容易です】
16.11.5 撮影
【B】
16.11.5 撮影
【Bを拡大しました − 蜜腺溝はムラサキセンブリのそれです】
16.11.5 撮影
【C日差しが強い時に撮ると、この色合いでした】
16.11.5 撮影
【Cを拡大しました − 蜜腺溝の毛に波状隆起がある】
16.11.5 撮影
* * * * * おまけ* * * * *
【D白花を見つける10分ほど前に見たムラサキセンブリです】
16.11. 撮影
【Dを拡大しました − かなり淡い色のムラサキセンブリ】
16.11.5 撮影
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「植物学でアルビノとは、光合成色素を合成できない突然変異個体のことで、
このような個体は独立栄養が営めないため、
種子中の栄養を使い切ってしまった時点で枯死することになる」。
4年前に見つかったヒメヒゴタイ白花をすっかり枯れてしまうまで見届けたのに、
あの場所で白花が出ないのは、種子ができなかったからですね。
ヒメヒゴタイは2年草で、花が終わると個体の命も終わってしまいますが、
ウツボグサは多年草で、白花個体も毎年、白花を咲かせ続けています。
では、多年草のムラサキセンブリの白花は…?
このたび見つけた個体の、今後の観察が楽しみになりました。
※ 2013年10月から、DNA分類体系準拠の新科名を書いています。
※ 日記の花期は、私が秋吉台で調べてきたものを使用しています。
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