シリブカガシ〈尻深樫〉(ブナ科) 花期は9月。
ドングリの底の部分がへこんでいるのでこの名がある。暖地に生える高さ15mになる常緑高木。雌雄同株。若枝には短毛が密生する。葉は互生。倒披針状長楕円形で、厚い皮質。先端は尾状に短く伸び、基部は広いくさび形。全縁または上部にわずかに鋸歯がある。表面は光沢があり、裏面は細かい鱗状の毛におおわれ、銀白色に見える。本年枝の先端または葉腋から花序が伸びる。
昨冬、落葉樹の葉が落ちてしまった林を見て回っていたら、目についたのがこの木でした。
「ヤブツバキではないし、シイではない。アラカシ、シラカシ、みんな違う。何だ?」
先日、この木に花序らしいものがついているのを発見。
「ドングリがなる木の花は4〜5月だし・・・」と、図鑑めくりが始まりました。
あった!
「カシの仲間はふつう春に開花するのに、シリブカガシは9月頃開花する。
果実は翌年の秋に成熟するので、花と緑色の果実が同時に見られる」
【雄花序を】
05.9.21 撮影
「雄花序は長さ6〜9p。花序の軸には黄褐色の短毛が密生する。
雄花は苞のわきに3個ずつつく。花被は直径2oほどの皿形で、雄しべは10個」
1つの花の大きさは直径2oほどなので、雄しべが突き出て開花したことを知りました。
【雌花序を狙いました】
05.9.21 撮影
「雌花序は長さ5〜9p、上部に雄花がつくこともある。
花柱は円柱形で、3個」
左に伸びているのが雌花序、ほかは雄花序。
この雄花序を拡大して見ましたが、まだつぼみでした。
冬に葉を見つけ、やっと咲いた花はこんなに小さくて地味な花でしたが、自分で同定できたし、嬉しさは最高です。
ドングリがなっていたらもっと楽でしたが、昨年はならなかったのか、2度の台風で落ちてしまったのでしょう。
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