セイヨウタンポポTaraxacum officinale〈西洋蒲公英〉
(キク科 タンポポ属) 花期は1〜12月。 牧場等に大群落をつくるほか、
都市の荒れ地に増殖するヨーロッパ原産の多年生帰化植物。
葉は濃緑色で、全縁〜羽状中裂。
花期は4〜5月を中心に、秋まで咲き続ける。
ごく小さな株も春には花をつけるので、頭花の大きさは1-5cmとさまざま。
花冠は鮮黄色。総苞は紛白を帯びる。
総苞外片は反り返り、へりは無毛、先端に角状突起がない。
冠毛は長さ約6mm、冠毛柄は冠毛より長い。
痩果は黄褐色〜褐色、紡錘形で果嘴はピラミッド形。
3倍体で無性的種子繁殖(無融合生殖)を行う。
花粉は大きさが不均一で不稔のものが多いが、
カントウタンポポなどの2倍体在来種の雌しべに受粉すると
3倍体や4倍体の雑種を作ることがあり、
生じた雑種が無融合生殖により増殖している。
そのため、総苞外片が十分に反り返らなかったり、
角状突起や縁毛をもつなどの中間形が増加している。
4倍体雑種の多くは花粉がない。
− 改訂新版「日本の野生植物 5」 −
【@−1.を拡大しました − 葉は濃緑色で、全縁〜羽状中裂=形は一定していない】
17.12.18 撮影
【@−2.花冠は鮮黄色】
17.12.18 撮影
【@−3.総苞は紛白を帯びる】
17.12.18 撮影
【A−1.この個体も緑地公園で】
17.12.18 撮影
【A−1.を拡大しました − 葉は濃緑色で、全縁〜羽状中裂】
17.12.18 撮影
【A−2.ごく小さな株も春には花をつけるので、頭花の大きさは1-5cmとさまざま】
17.12.18 撮影
【A−3.総苞は紛白を帯びる】
17.12.18 撮影
【A−3.を拡大しました − 総苞外片は反り返り、へりは無毛、先端に角状突起がない】
17.12.18 撮影
「セイヨウタンポポは3倍体で、無性的種子繁殖(無融合生殖)を行う。
花粉は大きさが不均一で不稔のものが多いが、
カントウタンポポなどの2倍体在来種の雌しべに受粉すると3倍体や4倍体の雑種を作ることがあり、
生じた雑種が無融合生殖により増殖している。
そのため、総苞外片が十分に反り返らなかったり、
角状突起や縁毛をもつなどの中間形が増加している。」
ですが、秋吉台では、何年もセイヨウタンポポの群生が続くことはなく、群落は突然消えてしまいます。
秋吉台を歩き始めた20年近く前に「ここに来ればセイヨウタンポポが必ず見られる」と思った所では、
現在は、全くと言っても過言ではないほど、そこではセイヨウタンポポが見られません。
長年、同じ場所を観察してきたので知った、図鑑にはない面白い事実です。
※ 2013年10月から、DNA分類体系準拠の新科名を書いています。
※ 日記の花期は、私が秋吉台で調べてきたものを使用しています。
|