リュウキュウマメガキ Diospyros japonica〈琉球豆柿/別名シナノガキ〉
(カキノキ科 カキノキ属) 花期は5〜6月。
暖地の山地に生える高さ10-13mになる落葉高木。雌雄異株。
樹皮は灰褐色。若枝は無毛で皮目が散生する。
葉は互生し、長さ6-18cmの長楕円形。
ふちは全縁で、基部はやや円い。
裏面は灰白色で、ふつう無毛。
葉柄は長さ1-3cm。
葉腋に淡黄色の花をつける。
花冠は壺形。雄花には雄しべが16〜20個、
雌花には1個の雌しべと8個の仮雄しべがある。子房は無毛。
雌花の萼は大きく、広い鐘形で4裂し、裂片は広卵形または三角状広卵形で、
内側に褐色の毛が密生する。筒部は短くて無毛。
果実は直径1.5-2.5cmの扁球形〜球形。
10〜11月に淡褐黄色から黒紫色に熟す。果肉は渋い。
種子は長さ約1.5cmのゆがんだ楕円形、1個の果実に3〜8個入っている。
未熟な果実からは柿渋をとる。
【@を拡大しました】
15.11.22 撮影
【A別の枝を】
15.11.22 撮影
【Aを拡大しました − 果実は直径1.5-2.5cmの扁球形〜球形】
15.11.22 撮影
【B5月に開花確認した下方の枝を】
15.11.22 撮影
【C樹皮は灰褐色】
15.11.22 撮影
【D落ちていた果実を − 下側の熟した小さめのが、この木の果実】
15.11.22 撮影
(黄色で大きい方は徳地の果実)
【E種子を − 小さい方がこの木の種子(大きい方は徳地の種子)】
15.11.25 撮影
徳地のは非常に小さく、とても柿の種とは思えませんでした。、
【F種子は長さ約1.5cmのゆがんだ楕円形 − 右がこの木の種子】
15.11.25 撮影
(左の大きい方は徳地の種子)
【G11月28日、友人の依頼で三宅貞?先生が来られ、高枝切りで採られました】
15.5.31 撮影
この果実の種子も長さ3〜4mmと、大変小さかったのです。
* * * * * こんな時もありました* * * * *
【H開花確認は5月31日でした】
15.5.31 撮影
【Hを拡大しました − 葉柄は長さ1-3cm】
15.5.31 撮影
【Gを拡大しました − 葉腋に淡黄色の花をつける】
15.5.31 撮影
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画像DEFの徳地の果実と種子は、正しくリュウキュウマメガキです。
では、小さな種子の、この果実は、何柿なのでしょうか?
三宅先生から友人に届いたメールです。
「帰って実の大きさなどの文献を見ているとほとんど変わらず難しいです。
ただ、現地で見た葉がシナノガキより厚っぽいことが気になり帰って、下面をルーペで見ると
じゅう毛とおぼしきものがあり(シナノガキは薄く無毛)、コマガキにしてよいのではと思うようになりました」
「コマガキ(ヤマガキ-県下でコマガキと呼んでいました)はマメガキです」。
私が17年前、先輩に『リュウキュウマメガキ(シナノガキ)』と教えてもらって以来、
リュウキュウマメガキの開花を記録してきたこの個体は、マメガキかも知れません。
でも、樹皮の特徴・葉柄が長い・生葉の裏の毛はリュウキュウマメガキの特徴と合致しています。
来年5月、友人と観察して結論を出したいと、楽しみが増えました。
(この日記は、一度11月25日に書きましたが、果実・種子が徳地のものと逆になっていたことと、
三宅先生から新しい情報を頂いたことにより、書き直したものです。)
※ 2013年10月から、DNA分類体系準拠の新科名を書いています。
※ 日記の花期は、私が秋吉台で調べてきたものを使用しています。
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