11月27日 オオツルイタドリ


2005年に見つけ、ニガガシュウ(雌株)かと思っていたつる植物は、精査の結果、
オオツルイタドリ(図鑑に記載の分布:北海道・本州(近畿地方以北))と判明しました。
「秋吉台国定公園の高等植物」には『1986年初めて観察、道べりにごく稀』
「山口県産高等植物目録」には『ごく稀』。
1年草が同じ場所で26年間生き続けてきたのです。

【@初めて見た時の画像です】
05.10.14 撮影

     オオツルイタドリ〈大蔓虎杖〉(タデ科 ソバカズラ属) 花期は9〜10月。
    河原や荒れ地、石垣などに生えるつる性の1年草。
    葉は有柄、長さ3〜6cmの卵形で先は鋭尖形、基部は心形。
    葉のふちや脈上には乳頭状の突起がある。
    托葉鞘は膜質で無毛。
    茎の先や葉腋に短い花序を出し、淡緑色または紅紫色を帯びた花をまばらにつける。
    花被は5裂する。
    花のあと花被片3個は翼状に大きくなり、3稜形の痩果を包む。
    花被に包まれた果実は倒卵形で、基部は次第に細くなって柄に続く。
                         

     【Aむかごが付いた蔓と写っている葉は、ニガガシュウ。これで間違えてしまいました】
                         05.10.15 撮影
                            【B】
                         05.10.14 撮影
  【Bを拡大 - 果実にもむかごが見えたため、すぐそばの葉を見ずにニガガシュウと思い込み】
                         05.10.14 撮影
      【C翌年からは崖から下がった、同じ花が咲いている蔓を葉の確認をしないまま・・・】
                         11.9.23 撮影

            今年10月14日、現地でAさんが「ツルドクダミでは?」と。
           これがヒントとなって手持ちの図鑑の記載がある6冊を読み、
           図鑑で少しずつ異なる記述を総合して、オオツルイタドリと同定しました。

                                 
【D「日本の野生植物」「原色日本植物図鑑」「検索入門野草図鑑」は『萼は紅紫色』】
12.9.26 撮影
 【E「日本の帰化植物」は『緑白色』「日本帰化植物写真図鑑」は『淡緑色、ときに紅く染まる』】
  12.9.26 撮影
                                 
【F果実を包む萼の下部はだんだん細くなって柄に続く - 急に柄になるツルタデとの最も重要な違い
12.11.24 撮影

              【Fを拡大しました - 小花柄の中部以下に関節がある
                         12.11.24 撮影
                         「托葉鞘は膜質で無毛」

                           【G】
                         12.11.24 撮影                     
           【Gを拡大しました - 葉のふちや脈上には乳頭状の突起がある
                         12.11.24 撮影
                            【H今は】
                        12.11.24 撮影
             【I崖上の根元を見つけたかったのですが、無理でした】
                         12.11.24 撮影
                     
※ 日記の花期は、私が秋吉台で調べてきたものを使用しています。