ナガエミクリ Sparganium japonicum〈長柄実栗〉(ガマ科 ミクリ属)
花期は6〜7月。
水位の浅い池や湿地に生育する多年草で、
茎の上部の葉腋から枝を出し、
この枝の下部に雌性頭花、上部に雄性頭花をつける。
雌性頭花は2〜6個つき、下端のものには長さ約3cmになる柄がある。
雄性頭花は5〜10個あり、無柄でややまばらにつく。
雌性花被はさじ形で長さ2-2.5mm、花柱と柱頭で長さ2mm。
果実には約2mmの小柄があり、果実は紡錘形で長さ4-6mm。
本州〜九州、朝鮮半島に分布する。
[ミクリ属]
果実は堅果で、果皮の外側はスポンジ状でやわらかく、内側は硬い内側はかたい。
果実の形態が種の同定には重要であるため、開花期の個体での同定は困難である。
− 改訂新版「日本の野生植物1」 −
【Aこの枝の下部に雌性頭花、上部に雄性頭花をつける】
19.7.16 撮影
【B雌性頭花は2〜6個つき】
19.7.16 撮影
【Bを拡大しました −下端のものには長さ約3cmになる柄がある − 柄がありません】
19.7.16 撮影
【C雄性頭花は5〜10個あり、無柄でややまばらにつく】
19.7.16 撮影
【Dこの個体にも】
19.7.16 撮影
【Dを拡大しました − 最下の雌頭花も無柄です】
19.7.16 撮影
【E3日目の今日、咲き始めた個体に】
19.7.17 撮影
【F最下の雌頭花に短い柄を確認しました】
19.7. 17撮影
【G果実になった個体は2個体確認】
19.7. 17撮影
【Gを拡大しました − この個体の最下集合果は、有柄です】
19.7.17 撮影
【H果実は紡錘形で長さ4-6mm】
19.7. 17撮影
【I花がつかない個体はたくさんありました − 高さは50cmほど】
19.7.16 撮影
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以前、“秋吉台の植物の大先輩”Mさんから聞いたナガエミクリの生育場所は、ここでした。
藪をかき分け水辺にたどり着いても、水位が高くミクリ属の姿を見たことがなかったのですが、
水が減って、ため池に降りることができるようになり、水辺の植物に近づけるようになりました。
これまで見てきたミクリは、花序の枝が分枝し、雌頭花・雄頭花とも無柄なので、
今回のミクリ属をナガエミクリと同定しました。
ナガエミクリについた花番号は、『1554』。
※ 2013年10月から、DNA分類体系準拠の新科名を書いています。
※ 日記の花期は、私が秋吉台で調べてきたものを使用しています。
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