2018年 7月12日  ナガバハエドクソウ


秋吉台の湿地や林内で普通に見られるハエドクソウ属の詳細を撮影した結果、
従来ハエドクソウと呼んでいた形は、ナガバハエドクソウと判明しました。

【@葉は茎の下方にかたまってついています − 龍護峰登山道わきの薄暗い林内で】
18.7.10 撮影

       ナガバハエドクソウ Phryma oblongifolia Koidz;〈別名ヒメハエドクソウ〉
                       (ハエドクソウ科 ハエドクソウ属) 花期は 6〜9月。.
     【ハエドクソウ属】
     直立する多年草で、
     葉は対生し、葉柄は長く、葉身は卵円形または長楕円形で、粗い鋸歯縁。
     細長い穂状花序を茎の先端、または腋生する枝の先端につくり、
     対生した花をまばらにつける。
     花は小さな苞の腋ごとに1個ずつつく。
     萼は筒状で先は唇形となり、上唇の先端には刺状のやや長い3歯があり、
     下唇には小型の2歯がある。
     花冠は筒状で先端は2唇形、上唇は浅く2裂し、下唇は広く開いて3裂。
     雄蕊は4個で、花筒内にあり、下側2個はやや長い。
     葯は2室で、縦裂する。
     子房は上位で狭倒卵形、2個の心皮からなり1室、1個の胚珠。
     花柱は細く、先が浅く2裂。
     果実は刮ハで萼によって動物に付着して種子を運ぶ。
     種子内で子葉は巻き込むように折りたたまれている。
     果期に節間の一部がふくれることがある。
     主茎は成長の初期に温度傾性を示す。
     北米東部および東アジアに計3種が分布。
     全体に有毒成分があり、和名は根を煮詰めた汁でハエ取紙を作ったことに由来する。
     
     ハエドクソウと同様な場所に生え、ときにハエドクソウと隣接して生育することがある。
     基部の成葉は楕円形。
     葉裏面の脈は疎。

     葉柄は基部側の成葉で最も長くなり、
     葉身は長さ4-15cm、幅2-7cm。
     花冠上唇先端側の裂片部で幅が急にせばまらない。
     花は長さ5-8mm、幅2-6mm。
     北海道〜九州に分布が確認されている。    
      − 改訂新版「日本の野生植物5」 −

【A葉柄は基部側の成葉で最も長くなり
18.7.10 撮影
                                 
【B基部の成葉は楕円形。葉裏面の脈は疎
18.7.10 撮影

【Bを拡大しました】
18.7.10 撮影

【C細長い穂状花序を茎の先端、または腋生する枝の先端につくり
18.7.10 撮影

【D花冠は筒状で先端は2唇形、上唇は浅く2裂し、下唇は広く開いて3裂
18.7.10 撮影

【Dを拡大しました − 花冠上唇先端側の裂片部で幅が急にせばまらない
18.6.10 撮影

* * * * * * * * * *

【E草原に出る間際の林縁、遊歩道わきで】
18.7.12 撮影
                                 
Eを拡大しました】
18.7.12 撮影

【Eを拡大しました − 葉柄は基部側の成葉で最も長くなり
18.7.12 撮影

葉は茎の下方にかたまってついています。


【F基部の成葉は楕円形。葉裏面の脈は疎
18.7.12 撮影

【Fを拡大しました】
18.7.12 撮影


 薄暗い林内や林縁で普通に見られ、ハエドクソウと呼んでいたものは、ナガバハエドクソウと思われ、
 花番号はそのまま、従来の『0356』を使い、名前を『ナガバハエドクソウ』と変更することにしました。

 以上から、
 7月9日に草原で初めて気づいた形の詳細を撮った結果、それが『ハエドクソウ』と思われるため、
 新しく見つけた花が『ハエドクソウ』で、花番号『1528』をつけました。
 次に、新しい『ハエドクソウ』を書きます。

※ 2013年10月から、DNA分類体系準拠の新科名を書いています

※ 日記の花期は、私が秋吉台で調べてきたものを使用しています。

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