ヒメイヌビエ Echinochloa crus-galli (L.) P.Beauv. var. praticola Ohwi
〈姫犬稗〉(イネ科 イヌビエ属) 花期は 6〜9月。
日本全土の中生草原に生えて、7月に出穂し、全体がイヌビエより小さく、
芒はない。
− 改訂新版「日本の野生植物2」 −
すこぶる多型のイヌビエの一型で、次のような特徴をもつ。
イヌビエが湿地を好むのに対し、
中生(乾地でも湿地でもない中間の)草原に生える。
全体がほっそりしていて、葉身の幅は5-8mm、
葉のへりが白く硬化することはない。
花序の枝はまばらで短く、長いものも再分枝することはまずない。
小穂は長さ2.2−3mm、まばらに硬い毛が生え、
穎の先が芒となることはない。
花期:7〜9月。
分布:北海道、本州、四国、九州、琉球、朝鮮、台湾。
イヌビエが河床などしばしば水に浸るようなところに群生、
葉幅も花序も長大となって、花序が長い芒におおわれたものがケイヌビエ、
中生の草原に生えて、葉幅も花序も小さく、無芒となったものが
ヒメイヌビエと考えると、生態と形態が結びついてくる。
− 「日本イネ科植物図譜」 −
【A高さ30cmほど − 全体がほっそりしていて、葉身の幅は5-8mm】
18.9.6 撮影
【Aを拡大しました − 葉身の幅は5-8mm、葉のへりが白く硬化することはない】
18.9.6 撮影
【Aを拡大しました − 花序の枝はまばらで短く、長いものも再分枝することはまずない】
18.9. 6撮影
【Aを拡大しました − 小穂は長さ2.2−3mm、まばらに硬い毛が生え】
18.9.6 撮影
【B花序の枝に近づいて −小穂はまばらに硬い毛が生え、穎の先が芒となることはない 】
18.9.6 撮影
【C上方の花序枝を − 小穂はまばらに硬い毛が生え、穎の先が芒となることはない】
18.8.6 撮影
ずっとイヌビエとして開花確認し、記録してきた小型のイヌビエ属は、ヒメイヌビエでした。
重要な参考文献「秋吉台国定公園の高等植物目録」には、
イヌビエが、『広谷、植山、道べりに普通』で、ヒメイヌビエはないし、
秋吉台を歩き始めた時に、先輩たちにイヌビエと教えてもらいました。
何の疑いもなく20年近く、ヒメイヌビエをイヌビエとしてきた次第です。
※「山口県産高等植物目録」に、ヒメイヌビエは『ごく普通』とありました。
日記に、分かりやすいケイヌビエを書いて、イヌビエ属に目が向くようになり、
大きな間違いを見つけることができました。
イネ科、面白くなってきました。頑張ります。
※ 2013年10月から、DNA分類体系準拠の新科名を書いています。
※ 日記の花期は、私が秋吉台で調べてきたものを使用しています。
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