2018年 7月9日  ハエドクソウ属


草原の遊歩道わきの草むらで、数株がかたまって生えた、
全体が小さく、葉が細長く、茎の上部まで広がってついたハエドクソウが目に付きました。

同行の友人が「これもハエドクソウで良いの?」と。
ハエドクソウの仲間は、手持ちの従来の図鑑では1種で、
ハエドクソウの詳細を気にすることなく撮ってきました。
「待って。新しい図鑑で調べられるかも」と、あまり期待することなく、撮り帰りました。

【@高さは20cmあまり】
18.7.9 撮影

【A葉にピントを − これまで見てきたハエドクソウより葉の間隔が長く見えました】
18.7.9 撮影
                                 
【Aを拡大しました − 従来のより、葉が細く、対生する間隔が長い】
18.7.9 撮影

       ハエドクソウ属 Phryma L.
     直立する多年草で、葉は対生し、葉柄は長く、葉身は卵円形または長楕円形で、粗い鋸歯縁。
     細長い穂状花序を茎の先端、または腋生する枝の先端につくり、
     対生した花をまばらにつける。
     花は小さな苞の腋ごとに1個ずつつく。
     萼は筒状で先は唇形となり、上唇の先端には刺状のやや長い3歯があり、
     下唇には小型の2歯がある。
     花冠は筒状で先端は2唇形、上唇は浅く2裂し、下唇は広く開いて3裂。
     雄蕊は4個で、花筒内にあり、下側2個はやや長い。
     葯は2室で、縦裂する。
     子房は上位で狭倒卵形、2個の心皮からなり1室、1個の胚珠。
     花柱は細く、先が浅く2裂。
     果実は刮ハで萼によって動物に付着して種子を運ぶ。
     種子内で子葉は巻き込むように折りたたまれている。
     果期に節間の一部がふくれることがある。
     主茎は成長の初期に温度傾性を示す。
     北米東部および東アジアに計3種が分布。
     全体に有毒成分があり、和名は根を煮詰めた汁でハエ取紙を作ったことに由来する。

      A.  花冠上唇先端側の裂片部で急に幅がせばまる。
         基部の成葉は心形。葉裏面の脈は密       .............1.ハエドクソウ
      A.  花冠上唇先端側の裂片部で幅が急にせばまらない。
         基部の成葉は楕円形。葉裏面の脈は疎...............2.ナガバハエドクソウ

      − 改訂新版「日本の野生植物5」 −

◇ ハエドクソウ属には、1.ハエドクソウ 2.ナガバハエドクソウの2種があることが判明しました。
◇ これまでハエドクソウとしてきた林内や湿地の株の詳細を撮ることが先決と、判断しました。

 

* * * * * おまけ * * * * *

【B散策中に、今日梅雨が明けたことを知りました − 御鉢山から撮影】
18.7.9 撮影


※ 2013年10月から、DNA分類体系準拠の新科名を書いています

※ 日記の花期は、私が秋吉台で調べてきたものを使用しています。

次ページ

TOP