フジバカマ Eupatorium jamonicum〈藤袴〉(キク科 ヒヨドリバナ属) 花期は 8〜9月。
河川の氾濫原などの湿った草地に生える多年草で、
しばしば観賞用に栽培される。
根茎は横に長くはって盛んに分枝し、その先が立ち上がって茎を立てるために
大きな群落をつくることがある。
茎は直立するが基部はやや斜上し、高さ1-2m、無毛かわずかに毛があり、
上部で斜上する枝を分ける。
葉は短い柄があって長さ8-13cm、葉身は3深裂し、
裂片は長楕円形または長楕円状披針形、質かたく光沢があり、
表面は無毛か縁付近に短毛を散生し、
裏面は無毛か脈上に伏した短毛を散生し、腺点はない。
上部の葉は野生の型では分裂しないことが多い。
花期は8〜9月。
頭花は頂が平坦な散房状に密に集まってつき、強い芳香があり、
総苞は長さ8mm内外で紅紫色を帯びる。
小花は淡紫色か淡紅紫色で長さ4-6mm。
本州〜九州、朝鮮半島・中国・ベトナムに分布する。
日本では河原の開発のために野生のものは減少しており、
準絶滅危惧(NT)に指定されている一方で、
過去に栽培されたものが逸出している場所も多い。
最近日本で栽培されるものは、野生の型に比べて葉の裂片が細く、上部の葉も全裂し、
花序の枝がより急角度で斜上して紅色を帯び、花色の濃い型で、
これをコバノフジバカマ(ニセフジバカマ)と名付け
E.fortunei Turcz.の学名をあてて区別することもある。
これに一致する型は中国南部に多く見られるが、中国における変異の大きさを考えると
フジバカマから別種とするのは難しいと思う。
− 改訂新版「日本の野生植物5」 −
【A最近日本で栽培されるものは、野生の型に比べて葉の裂片が細く、上部の葉も全裂し】
19.11.2 撮影
【Aを確認しました −花序の枝がより急角度で斜上して紅色を帯び、花色の濃い型】
19.10.2 撮影
【B葉は短い柄があって長さ8-13cm、葉身は3深裂し】
19.11.2 撮影
【C葉の表面を】
19.11.2 撮影
【D葉の裏面を】
19.11.2 撮影
【Dを拡大しました −裏面は無毛か脈上に伏した短毛を散生し、腺点はない 】
19.11.2 撮影
【E頭花を上から − 頭花は頂が平坦な散房状に密に集まってつき、強い芳香があり】
19.11.2 撮影
「総苞は長さ8mm内外で紅紫色を帯びる」
【Eを拡大しました − 頭花には5個の筒状花がある(増補改訂新版「野に咲く花」)】
19.11. 2 撮影
【F全体が紅葉した株もたくさんありました】
19.11 .2 撮影
ここは、10年ほど前から全然手が入っていませんが、以前は花壇だったのかもしれません。
ほかの草の開花確認によく来る場所ですが、フジバカマの群生には気づきませんでした。
植栽品の逸出に間違いないのですが、「見なかったことにしよう」が、できないほどの数でした。
フジバカマには、花番号『1562』がつきました。
※ 2013年10月から、DNA分類体系準拠の新科名を書いています。
※ 日記の花期は、私が秋吉台で調べてきたものを使用しています。
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