ベニバナセンブリ Centaurium rrythraea(リンドウ科 ベニバナセンブリ属)
花期は 6〜8月
地中海沿岸地方原産の越年草で、
現在では、日本本土の都市近郊の低地に広く野生化している。
花の色や形はシマセンブリに酷似するが、花は茎頂に散房状につき、
花は大きく、柱頭は2裂し、刮ハは線形。
本種の属するベニバナセンブリ属はユーラシア大陸に産する約20種からなる。
− 改訂新版「日本の野生植物4」 −
陽地の裸地や草原などに生える二年草。
茎は直立して高さ60cmに達し、4稜があり中空、
ふつう分枝し、枝はほぼ直立または斜上する。
葉は対生、長楕円形〜へら形で無柄、
茎の基部のものは大きく、長さ3-5cm、幅1-2cmでロゼット状に広がり、
茎葉はより小さく、基部はわずかに茎を抱く。
花序は盛んに分枝し、茎葉より小型の苞葉があり、密な集散花序をなす。
花は6〜8月、花序枝の先端に1個ずつつき、ほとんど無柄。
花冠は淡紅色まれに白色、基部の約2/3は筒となり、長さ8-10mm、
裂片は5個、楕円形で長さ約6mm、平開する。
萼は花冠の約半分より長い。
雄蕊は先熟、5個で花冠中部に合着、花冠口部から超出し、
葯は黄色で花柱を囲み、裂開時には強くねじれる。
雌蕊は1個、子房上位で1室、花柱は長く、柱頭は平らで2岐するが、
成熟期には内向きに合わさって頭状を呈する。
西日本を中心に野生化し、しばしば群生している。
原産地:ヨーロッパ。
メモ:『神奈川県植物誌 1988』は、本種に似るハナハマセンブリの帰化を報告した。
本種はベニバナセンブリに比べ、一年草でロゼットを形成せず、花序はやや散漫で、
花冠裂片がより短いなどとされる。
しかし、ベニバナセンブリでも春に芽生えたものはロゼットを形成しない可能性があり、
検討が必要である。
− 「日本の帰化植物」 −
【@を拡大しました −茎は直立して、高さは50cmほど】
19.6.18 撮影
【A茎は直立して高さ60cmに達し、4稜があり中空、ふつう分枝し、枝はほぼ直立または斜上する】
19.6.18 撮影
【B葉は対生、長楕円形〜へら形で無柄、茎の基部のものは大きく】
19.6.18 撮影
【Bを拡大しました − 茎の基部のものは大きく、ロゼット状に広がり】
19.6.18 撮影
【C葉は対生、長楕円形〜へら形で無柄、茎葉はより小さく、】
19.6.18 撮影
【Cを拡大しました − 基部はわずかに茎を抱く】
19.6.18 撮影
【D花序は盛んに分枝し、茎葉より小型の苞葉があり、密な集散花序をなす】
19.6.18 撮影
【Dを拡大しました − 花は花序枝の先端に1個ずつつき、萼は花冠の約半分より長い】
19.6.18 撮影
【E花序を上から撮りました −雄蕊は5個で花冠中部に合着、花冠口部から超出し】
19.6.18 撮影
【Eを拡大しました − 葯は黄色で花柱を囲み、裂開時には強くねじれる】
19.6.18 撮影
【Eを拡大しました − 花柱は長く、柱頭は平らで2岐するが】
19.6.18 撮影
「成熟期には内向きに合わさって頭状を呈する」
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撮影が14時40分過ぎからだったので、もう眠りに入りかけた花もあったのだと、
リンドウ科の花と同定後に気づきました。
こんな花があったなんて全く知りませんでしたが、こまめに歩き回ったお陰だと・・・。
ベニバナセンブリについた花番号は、『1549』。
※ 2013年10月から、DNA分類体系準拠の新科名を書いています。
※ 日記の花期は、私が秋吉台で調べてきたものを使用しています。
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