2015年 11月21日  アキヨシミミナグサ − 有花茎(有花枝)と無花茎(無花枝)



今日の日記は、門田先生からのメールと、今年5月27日の観察会でのお話をまとめて書きました。

「アキヨシミミナグサには、大陸系のミミナグサ同様に『有花茎(有花枝)』と『無花茎(無花枝)』の2種類がはっきりと見られます。
『有花枝(有花茎)』は花が終わるとやがて枯れてしまいますが、『無花枝(無花茎)』はそのまま残り、
やがて伸びてくる『有花茎(有花枝)』をがっちり覆って、押しくらまんじゅう状態で厳しい冬を乗り越えるのです。
(ミミナグサ・オランダミミナグサには無花茎はなく、すべて有花茎で、花が終われば全部枯れてしまう1年性)」


2014年6月18日の段階でアキヨシミミナグサの形態を6タイプに分け、それぞれ3個体ずつ1年間観察しましたが、
一番多いタイプ『タイプ4』に、その当時はまだ知らなかった『有花茎・無花茎』を確認することができました。


【@2014年6月18日の段階で一番多かったタイプ】
14. 6.18 撮影

【@を拡大しました】
14. 6.18 撮影

         アキヨシミミナグサ Cerastium akiyoshiense Kadota〈秋吉耳菜草〉
                         (ナデシコ科 ミミナグサ属) 花期は 3〜10月。
        山口県美祢市美東町秋吉台の東麓に点在する銅山跡地に生える多年草。
        茎や花梗、萼片に腺毛があり粘る。
        花弁は狭倒卵形、長さ4.5-5.5mm、1/5〜1/4まで切れ込み、先端は鋭頭。
        葯は直径0.4mm。
        花弁と雄しべは無毛。

        本種はかって伊吹山固有のコバノミミナグサと同一の植物と考えられた。
        しかし、アキヨシミミナグサはコバノミミナグサに比べて、
        @花弁が倒卵形でより短く、
        A花弁の切れ込みがより浅く、萼片の先が鋭形で、
        B萼片がより短く、背軸側に長毛に加えて腺毛があり、
        C花梗にも腺毛があり、
        D刮ハがより短く、
        E葯がより小型である点で異なる。
        一方アキヨシミミナグサはホソバミミナグサとは、
        @花弁がより短く、
        A花柱がより短く、
        B苞が葉状になって、縁に膜状部を欠くことで区別される。
        アキヨシミミナグサの染色体数 2n=70 は
        ミミナグサ属の中でもこれまでに報告が極めて少ない。

   【A6月 − タイプ4の経過観察を】
14. 6.29 撮影
【Aを拡大しました】
14. 6.29 撮影
                                 
【B7月 − 有花茎は枯れてしまいましたが、無花茎が確認できます】
14. 7.26 撮影

【C8月】
15. 8.26 撮影

【D9月】
14. 9.29 撮影

【E10月】
14.10.31 撮影

【F2月】
15. 2. 2 撮影

【G5月】
15. 5.8 撮影
【Gを拡大しました − すでに花は終わったらしく、右上に途中で折れたらしい花茎が見えます】
15. 5.8 撮影
多数の無花茎の中のほんの一部が有花茎になり、ほとんどの無花茎は枯れてしまった様子。
そして、次の無花茎が出ています。


【Hタイプ4の他の個体を − 昨年6月】
14. 6.29 撮影
【Hを拡大しました】
14. 6.29 撮影

【I今年2月】
15. 2. 2 撮影

【J今年5月】
15. 5.8 撮影
【Jの根際を − 無花茎の葉腋から有花茎が伸びてきます
15. 5.8 撮影
                「無花茎の先が伸びて有花茎になるのではありません」

※ 2013年10月から、DNA分類体系準拠の新科名を書いています

※ 日記の花期は、私が秋吉台で調べてきたものを使用しています。

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