2018年 11月4日  アキヨシアザミ − その2



地獄台で生育しているアキヨシアザミは今年、蕾がつくのが例年より大幅に遅れ、
姿が見えない株も多く、今年は咲かないのかと心配しましたが、9月中旬からの降雨で花芽が育ち、
開花は遅れたものの10月下旬の観察会では、きれいに咲いた頭花を見ることができました。

【@丈は低く、花茎も少ないですが・・・】
18.11.1 撮影

          アキヨシアザミ Cirsium calcicola〈秋吉薊〉(キク科 モリアザミ属) 
                                       花期は 9〜11月。
          秋吉台の石灰岩草原に生える高さ60-100cmの多年草。雌雄同株。
         群落をつくらず、単生するのがふつうである。
         根は肥大し、径2cmになり、斜めに伸びる。
         茎は直立し,単純で分枝しないか上部でb分枝し、枝は鋭角的に伸びる。
         根生葉は花期には生存しない。
         下部の茎葉の葉身はやや質が厚く、披針形、長さ10-18 cm、
         細かい鋸歯縁となって羽裂することなく、鋭いとげがある。
         頭花は長い柄の先に単生し、直立して咲く。
         総苞は椀形〜筒形,10-15mm、
         緑色で総苞片の縁は紫褐色となり、多少ともくも毛がある。
         総苞片は8〜9列,圧着〜斜上あるいは短く開出し、
         外片は狭卵形,内片の1/3以下。
         腺体は倒卵状披針形で各片にあるが、
         発達が悪いためふつう総苞は粘らない。
         しかし、個体によってはかなり粘るものがある。
         小花の花冠は長さ16-18 mm、淡紅紫色、
         狭筒部は広筒部の2倍長。
         痩果は上部1/4は灰褐色、下部3/4が暗紫褐色で、
         モリアザミと同じく染め分けされており、長さ約4 mm。
         冠毛は長さ12-14 mm。
         山口県秋吉台の特産で、石灰岩植物である。
         − 改訂新版「日本の野生植物 5」 −

         
《門田裕一先生の説明補足》
         アキヨシアザミはモリアザミの変種として扱われてきた。
         しかし,アキヨシアザミは,
         葉は細かい鋸歯縁となって、羽状に切れ込みことがなく,
         総苞片が8-9列で,腺体が明瞭に認められることではっきり区別される。
         モリアザミは非石灰岩地にも生えるが,アキヨシアザミは秋吉台以外では知られていない。


【@を拡大しました】
18.11.1 撮影
                                 
【A − @の下方、ススキの陰で元気に咲いた若い株】
18.11.1 撮影

【B観察会で見てもらった遊歩道わきの小群落】
18.11.2 撮影

【C − Bの頭花を】
18.11.2 撮影

【D石灰岩の間で大きく育っている株も咲きました】
18.11.4 撮影

【Dを拡大しました − 花は咲き終わりに近づいています】
18.11.4 撮影

【E − Dの下方の頭花を】
18.11.4 撮影

【Eを拡大しました】
18.11. 4 撮影


※ 2013年10月から、DNA分類体系準拠の新科名を書いています

※ 日記の花期は、私が秋吉台で調べてきたものを使用しています。

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