2020年 12月19日  フシネキンエノコロ −『2050年の森 野草園』で



【@真冬の現在も生き生きとした葉や花序のエノコログサ属を見つけました − 『2050年の森 野草園』で】
20.12.19 撮影

         フシネキンエノコロ Setaria gracilis Kunth (イネ科 エノコログサ属) 花期は 7〜8月。
        まれに開港地に帰化する多年草で、
        短いが明らかな節があり、硬化した根茎をもつ。
        稈は細くて硬く、束生し、
        よく伸びたものは節ごとにくの字形に屈曲して斜めに立つ。   
        葉身は長さ10-30cm、幅2-4mm、葉鞘はやや扁平で背部は竜骨となり、
        葉舌は長さ1mm内外の白毛の列となる。
        円錐花序は円筒形で、長さ3-7cm、花序の中軸はごく短い毛があってざらつき、
        小穂には黄金色の刺毛4〜8本があって、刺毛は長さ3-8mm、
        小穂は長さ2.5-3.0mm、第一包頴小穂の長さの1/3、第二包頴は1/2〜2/3で、
        第一小花(不稔小花)の護頴は小穂とほぼ同長、
        第二小花(稔性小花)の護頴はうすい革質で光沢があり、
        表面に横しわがあって細い方眼を作る。
        花期:7〜8月 
        分布:全世界の暖帯〜亜熱帯に分布。 日本の暖地には意外に多いのかもしれない。
        同定のかぎ:コツブキンエノコロは本種によく似ているが、
                キンエノコロもコツブキンエノコロも1年生で地下茎がないから、
                ごつごつした節のある地下茎と、稈の基部に旧年の葉、稈、根などのある
                本種からは明らかに区別できる。
         − 「日本イネ科植物図譜」 −
         

【@を拡大しました − 見てきた一年草のエノコログサ属は現在、すっかり枯れてしまっていますが…】
20.12.19 撮影
                                 
【A稈の下方に節があります】
20.12.19 撮影

この様子から、本種を多年草と判断しました。

【B円錐花序は円筒形で、長さ3-7cm
20.12.19 撮影

【Bを拡大しました − 小穂には黄金色の刺毛4〜8本があって、刺毛は長さ3-8mm
20.12.19 撮影

本種は多年草のエノコログサ属と判断し、「フシネキンエノコロ」と、同定しました。

* * * * * 『2050年の森 野草園』で今日、ほかに3種見つけました * * * * *

Cマルバグミ(グミ科 グミ属)】
20.12.19 撮影

【Dナワシログミ(グミ科 グミ属)】
20.12.19 撮影

【Eヌメリグサ(イネ科 ヌメリグサ属)】
20.12.19 撮影

 『2050年の森 野草園』で確認した植物は、12月19日現在 81種になりました。


※ 
2013年10月から、DNA分類体系準拠の新科名にして、
  学名は、改訂新版「日本の野生植物 1〜5」 によります

※ 日記の花期は、私が秋吉台で調べてきたものを使用しています。

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