2021年 11月17日  アキヨシアザミ



【@今年、地獄台の至る所でたくさん開花しているのを見ました】
21.11.3 撮影

              アキヨシアザミ Cirsium calcicola〈秋吉薊〉(キク科 モリアザミ属) 
                                        花期は 9〜11月。
             秋吉台の石灰岩草原に生える高さ60-100cmの多年草。雌雄同株。
            群落をつくらず、単生するのがふつうである。
            根は肥大し、径2cmになり、斜めに伸びる。
            茎は直立し,単純で分枝しないか上部で分枝し、枝は鋭角的に伸びる。
            根生葉は花期には生存しない。
            下部の茎葉の葉身はやや質が厚く、披針形、長さ10-18 cm、
            細かい鋸歯縁となって羽裂することなく、鋭いとげがある。
            頭花は長い柄の先に単生し、直立して咲く。
            総苞は椀形〜筒形,10-15mm、
            緑色で総苞片の縁は紫褐色となり、多少ともくも毛がある。
            総苞片は8〜9列,圧着〜斜上あるいは短く開出し、
            外片は狭卵形,内片の1/3以下。
            腺体は倒卵状披針形で各片にあるが、
            発達が悪いためふつう総苞は粘らない。
            しかし、個体によってはかなり粘るものがある。
            小花の花冠は長さ16-18 mm、淡紅紫色、
            狭筒部は広筒部の2倍長。
            痩果は上部1/4は灰褐色、下部3/4が暗紫褐色で、
            モリアザミと同じく染め分けされており、長さ約4 mm。
            冠毛は長さ12-14 mm。
            山口県秋吉台の特産で、石灰岩植物である。
            − 改訂新版「日本の野生植物 5」 −

            《門田裕一先生の補足説明》
            アキヨシアザミはモリアザミの変種として扱われてきた。
            しかし,アキヨシアザミは,
            葉は細かい鋸歯縁となって、羽状に切れ込みことがなく,
            総苞片が8-9列で,腺体が明瞭に認められることではっきり区別される。
            モリアザミは非石灰岩地にも生えるが,
            アキヨシアザミは秋吉台以外では知られていない。


【@を拡大しました − 頭花は長い柄の先に単生し、直立して咲く
21.11.3 撮影
                                 
【A下部の茎葉の葉身は披針形、細かい鋸歯縁となって羽裂することなく、鋭いとげがある
21.11.3 撮影

【B総苞は椀形〜筒形,緑色で総苞片の縁は紫褐色となり、多少ともくも毛がある
21.11. 撮影

【Bを拡大しました −総苞片は8〜9列,圧着〜斜上あるいは短く開出し
21.11.3 撮影

【C】
21.11. 撮影

【Cを拡大しました −小花の花冠は長さ16-18 mm、淡紅紫色 】
21.11 .3 撮影

* * * * * * * 以上の撮影から2週間が経ちました* * * * * * *

【D地獄台の草紅葉が今年は特にきれいと感じます】
21.11.17 撮影

【E − @を撮って2週間後、花はほとんど終わりです】
21.11.17 撮影

【F痩果の撮影をしました − 撮影した痩果は、すべて、この同一頭花のものです】
21.11.17 撮影

【G1つ目の痩果 − そばの石灰岩上に置いて撮影 −冠毛は長さ12-14 mm
21.11.17 撮影

【Gを拡大しました −痩果は上部1/4は灰褐色、下部3/4が暗紫褐色で、
            モリアザミと同じく染め分けされており、長さ約4 mm

21.11.17 撮影



【H2つ目の痩果】
21.11.17 撮影

【Hを拡大しました −痩果は上部1/4は灰褐色、下部3/4が暗紫褐色で、
                      染め分けされており、長さ約4 mm

21.11.17 撮影

【I3つ目の痩果】
21.11.17 撮影

【Iを拡大しました】
21.11.17 撮影

【J4つめの痩果】
21.11.17 撮影

【Jを拡大しました − 痩果は上部1/4は灰褐色、下部3/4が暗紫褐色で、
                      染め分けされており、長さ約4 mm

21.11.17 撮影

  「冠毛は長さ12-14 mm」 ・ 「痩果は長さ約4 mm」 です。

  期待して撮ったのに、以上の結果は、

  痩果の染め分けが確認されたのは1つ目と2つ目の痩果でした。
  (ほかは、痩果の充実不足でしょうか?)
  色についてですが、
  「1/4は灰褐色、下部3/4が暗紫褐色」 とは言えません。

  今年、もう1回、別の個体の痩果を撮影したいと思っています。

  
※ 
2013年10月から、DNA分類体系準拠の新科名にして、
  学名は、改訂新版「日本の野生植物 1〜5」 によります

※ 日記の花期は、私が秋吉台で調べてきたものを使用しています。

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