2021年 11月25日  アキヨシアザミ −その2



【@今回は、地獄台の最高部に近い場所で咲いていたアキヨシアザミの痩果を撮影しました】
21.11.25 撮影

             アキヨシアザミ Cirsium calcicola〈秋吉薊〉(キク科 モリアザミ属) 
                                          花期は 9〜11月。
             秋吉台の石灰岩草原に生える高さ60-100cmの多年草。雌雄同株。
            群落をつくらず、単生するのがふつうである。
            根は肥大し、径2cmになり、斜めに伸びる。
            茎は直立し,単純で分枝しないか上部で分枝し、枝は鋭角的に伸びる。
            根生葉は花期には生存しない。
            下部の茎葉の葉身はやや質が厚く、披針形、長さ10-18 cm、
            細かい鋸歯縁となって羽裂することなく、鋭いとげがある。
            頭花は長い柄の先に単生し、直立して咲く。
            総苞は椀形〜筒形,10-15mm、
            緑色で総苞片の縁は紫褐色となり、多少ともくも毛がある。
            総苞片は8〜9列,圧着〜斜上あるいは短く開出し、
            外片は狭卵形,内片の1/3以下。
            腺体は倒卵状披針形で各片にあるが、
            発達が悪いためふつう総苞は粘らない。
            しかし、個体によってはかなり粘るものがある。
            小花の花冠は長さ16-18 mm、淡紅紫色、
            狭筒部は広筒部の2倍長。
            痩果は上部1/4は灰褐色、下部3/4が暗紫褐色で、
            モリアザミと同じく染め分けされており、長さ約4 mm。
            冠毛は長さ12-14 mm。
            山口県秋吉台の特産で、石灰岩植物である。
            − 改訂新版「日本の野生植物 5」 −

            《門田裕一先生の補足説明》
            アキヨシアザミはモリアザミの変種として扱われてきた。
            しかし,アキヨシアザミは,
            葉は細かい鋸歯縁となって、羽状に切れ込みことがなく,
            総苞片が8-9列で,腺体が明瞭に認められることではっきり区別される。
            モリアザミは非石灰岩地にも生えるが,
            アキヨシアザミは秋吉台以外では知られていない。

【A この頭花の痩果を】
21.11.25 撮影
                                 
【B1つ目の痩果 −上部1/4は灰褐色、下部3/4が暗紫褐色で、染め分けされており、長さ約4 mm
21.11.25 撮影

【Bを拡大しました −上部1/4は灰褐色、下部3/4が暗紫褐色で、染め分けされており、
21.11.25 撮影

【C2つ目の痩果 −上部1/4は灰褐色、下部3/4が暗紫褐色で、染め分けされており、長さ約4 mm
21.11.25 撮影

【Cを拡大しました −上部1/4は灰褐色、下部3/4が暗紫褐色で、染め分けされており、
21.11.25 撮影

【D3つ目の痩果 −上部1/4は灰褐色、下部3/4が暗紫褐色で、染め分けされており、長さ約4 mm
21.11.25 撮影

【Dを拡大しました −上部1/4は灰褐色、下部3/4が暗紫褐色で、染め分けされており、
21.11.25 撮影


【E4つ目の痩果 −上部1/4は灰褐色、下部3/4が暗紫褐色で、染め分けされており、長さ約4 mm
21.11.25 撮影

【Eを拡大しました −上部1/4は灰褐色、下部3/4が暗紫褐色で、染め分けされており、
21.11.25 撮影


  今日は風が強く吹いていましたが、痩果を風が当たらない岩陰に置いて、
  数多く撮った中から4つの痩果を上げました。

  痩果は長さ4mmと小さいのですが、今回は手にした時、前回より「太っている」と感じました。
  B一つ目と、C二つ目は、ぶれることなく、
  痩果の染め分け「上部1/4は開褐色、下部3/4が暗紫褐色」が撮れたので
  今年のアキヨシアザミの痩果の撮影をこれで終了します。


※ 
2013年10月から、DNA分類体系準拠の新科名にして、
  学名は、改訂新版「日本の野生植物 1〜5」 によります

※ 日記の花期は、私が秋吉台で調べてきたものを使用しています。

次ページ

TOP