２０１８年 ９月２１日 　アキヨシアザミ

改訂新版「日本の野生植物 ５」に記載されていない門田裕一先生の説明補足を。

　　　　　　　　　「アキヨシアザミはモリアザミの変種として扱われてきた。
　　　　　　　　　しかし，アキヨシアザミは，
　　　　　　　　　葉は細かい鋸歯縁となって、羽状に切れ込みことがなく，
　　　　　　　　　総苞片が8-9列で，腺体が明瞭に認められることではっきり区別される。
　　　　　　　　　モリアザミは非石灰岩地にも生えるが，アキヨシアザミは秋吉台以外では知られていない」。

【�@草原では、この夏の猛暑と乾燥で蕾は未確認ですが − カルストロードわきの茂みの中で】
18．9．21　撮影

アキヨシアザミ Cirsium calcicola〈秋吉薊〉（キク科　モリアザミ属）　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　花期は　９〜１１月。 　　　　　　　 　 秋吉台の石灰岩草原に生える高さ60-100cmの多年草。雌雄同株。 　　　　　　　　　群落をつくらず、単生するのがふつうである。 　　　　　　　　　根は肥大し、径2cmになり、斜めに伸びる。 　　　　　　　　　茎は直立し，単純で分枝しないか上部でb分枝し、枝は鋭角的に伸びる。 　　　　　　　　　根生葉は花期には生存しない。 　　　　　　　　　下部の茎葉の葉身はやや質が厚く、披針形、長さ10-18 cm、 　　　　　　　　　細かい鋸歯縁となって羽裂することなく、鋭いとげがある。 　　　　　　　　　頭花は長い柄の先に単生し、直立して咲く。 　　　　　　　　　総苞は椀形〜筒形，10-15mm、 　　　　　　　　　緑色で総苞片の縁は紫褐色となり、多少ともくも毛がある。 　　　　　　　　　総苞片は８〜９列，圧着〜斜上あるいは短く開出し、 　　　　　　　　　外片は狭卵形，内片の1/3以下。 　　　　　　　　　腺体は倒卵状披針形で各片にあるが、 　　　　　　　　　発達が悪いためふつう総苞は粘らない。 　　　　　　　　　しかし、個体によってはかなり粘るものがある。 　　　　　　　　　小花の花冠は長さ16-18 mm、淡紅紫色、 　　　　　　　　　狭筒部は広筒部の２倍長。 　　　　　　　　　痩果は上部1/4は灰褐色、下部3/4が暗紫褐色で、 　　　　　　　　　モリアザミと同じく染め分けされており、長さ約4 mm。 　　　　　　　　　冠毛は長さ12-14 mm。 　　　　　　　　　山口県秋吉台の特産で、石灰岩植物である。 　　　　　　　　　− 改訂新版「日本の野生植物 ５」 − 【�@を拡大しました − 齊藤さんが見つけられました】 18．9．21　撮影 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 【�A２株目 − 足元が危なくて近寄れませんが、まだ開花していない株も確認】 18．9．21　撮影 【�Aを拡大しました − 頭花は長い柄の先に単生し、直立して咲く】 18．9．21　撮影 【�B総苞片は８〜９列，圧着〜斜上あるいは短く開出し、外片は狭卵形，内片の1/3以下】 18．9．20　撮影 （昨日、私のコンデジで、齊藤さんに撮っていただきました） * * * * * おまけ * * * * * 【�C２ヶ所目のナンバンギセルを − 龍護峰で − このあと、雨になりました】 18．9．21　撮影 ※　2013年１０月から、DNA分類体系準拠の新科名を書いています。 ※　日記の花期は、私が秋吉台で調べてきたものを使用しています。